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1. ラオス関連投資トラブルと最新の詐欺トレンド
「ラオスの不動産・金融商品に投資すれば高配当が得られる」――そんな甘い誘い文句を掲げ、多額の資金を集める投資スキームが近年、形を変えながら報告されています。ラオスはアジアの新興国の一つであり経済成長が期待される国ですが、それを悪用し「必ず儲かる」「元本保証」といった触れ込みで勧誘することは、金融商品取引法や出資法に抵触する可能性が高い行為です。
特に2024年から2025年にかけては、SNS型投資詐欺の手口が高度化・急増しており、警察庁の発表によると、2024年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は約1,268億円に上り、前年から激増しています。著名人を騙る広告や、マッチングアプリを通じた勧誘とこうした海外不動産投資を組み合わせる事例が目立ちます。詐欺グループは「海外だからこそ税金の優遇がある」「法規制の及ばないスキーム」などと謳いますが、金融庁に登録のない業者がこうした勧誘を行うこと自体が違法です。
出典:警察庁「SNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」、金融庁「海外の無登録業者との取引にご注意ください」
このレポートでは、過去に大きな話題となったラオス関連投資案件「ラオランド(LaoLand)」の実態をケーススタディとして、問題視される手口や主要人物とされる関係者のネットワーク、そして被害回復の現状について詳しくまとめます。ポンジ・スキームの典型的な構造を理解することで、類似の最新手口から身を守ることが可能になるでしょう。

2. ラオランド案件の特徴:ポンジ・スキームの疑い
ラオランド(LaoLand)は「ラオスの不動産に投資すれば年利30%を受け取れる」などと宣伝され、多数の投資家を取り込んだプロジェクトです。しかしその資金循環の実態については、集めた資金を新規出資者の出資金から古参投資家に配当を回す、いわゆるポンジ・スキーム(自転車操業)の疑いが極めて強いと指摘されています。
構造上の懸念点は、投資額に応じて12~30%もの利回りを「確約」するかのような説明があった点です。常識的な市場運用では困難な高配当であり、リスク説明が不十分なまま勧誘が行われていた点は、消費者契約法上の問題ともなり得ます。また、セミナーやSNS勧誘で組織を拡大する連鎖販売取引(マルチ商法)に近い形態を採用していたことも特徴です。
さらに、投資家にはラオスの銀行口座を用いた海外運用を強調し、郵送でラオスのパスブック(通帳)を届ける演出が行われました。しかし、一部の調査や報道では、これらの実態が不透明であるとの指摘がなされており、本当に現地で運用が行われていたかについては多くの疑問符が残ります。現在は公式サイトの閉鎖や出金停止の状態にあり、事実上の破綻状態にあると言わざるを得ません。

3. 主要人物とされる関係者の経歴と関与
ラオランド案件の背後には、過去にも複数の高配当投資案件に関与してきた人物やグループの存在が噂されています。ここでは、ネット上の口コミや被害者の証言等で頻繁に名前が挙がる主要メンバーについて、一般に指摘されている情報を整理します。
Y氏(通称:湯田氏)
本案件のスキーム構築に深く関与したと目される人物です。過去にはD9クラブやジュビリーエース(Jubilee Ace)といった、後に捜査当局により摘発された巨額投資トラブルの主要関係者として名前が取り沙汰されました。業界内では同様のスキームに精通した人物として知られており、ラオランドにおいても実質的な運営・統括に関わっていた可能性が指摘されています。
O氏(通称:岡根氏)
セミナーや説明会において前面に立って活動していたとされる人物です。ラオランドのセミナー主催やSNSでの勧誘を積極的に行い、後継案件とされる「LED(Laos Etanal Diffusion)」でも主要講師として名前が挙がっています。過去の案件への関与も噂されており、一連の投資スキームにおいて集客・勧誘の役割を担っていたと見られています。
S氏(通称:菅井氏)
以前に暗号資産関連プロジェクトに関与し、その人脈をラオス投資案件に持ち込んだと目される人物です。O氏とともにセミナー講師を担当したり、高額出資者を勧誘したりするなど、マーケティングのポジションにいたと考えられています。SNS等で派手な生活をアピールする姿勢が見られ、一部の参加者からは資金の使途について疑念の声が上がっていました。
I氏(通称:井上氏)
グループ内でスキームの設計やセミナー運営の補佐を行う、いわゆる運営ブレーン的な立ち位置と言われている人物です。過去に類似の投資勧誘に関わった人物と同一ではないかとの情報も飛び交っていますが、確証はありません。いずれにせよ、プロジェクトの運営実務に関与していた可能性が高いと見られています。

4. 被害の現状と深刻な実態
ラオランドや関連案件に参加した出資者からは、深刻な被害相談が相次いでいます。「年利30%」という数字を信じたものの、配当が止まり、元本すら戻らないケースが大半です。
中には借金をして出資し、返済に行き詰まり自己破産を余儀なくされるケースも報告されています。案件が事実上の停止状態に陥った後、「返金対応」と称して一部送金が行われた事例もありますが、その送金元が個人口座名義であったなど、企業ガバナンスとして極めて不透明な実態も浮き彫りになりました。
近年は、SNSを通じて被害者団体の結成や弁護士への集団相談が進んでいます。過去の同種案件では、運営者側の法的責任が問われた判例もあるため、泣き寝入りせずに民事・刑事両面での対応を模索する動きが加速しています。
5. 法的対応と当局の動向
消費者庁や金融庁、在ラオス日本国大使館は、ラオス関連の投資や海外投資を謳う詐欺的勧誘に対し、度重なる注意喚起を行っています。無登録で出資を募る行為は金融商品取引法違反にあたるほか、実態のない事業で金銭を騙し取る行為は詐欺罪に問われる可能性があります。
特にポンジ・スキーム型の案件は、破綻する直前まで配当が出ることで被害の発覚が遅れる傾向にあります。その間に運営側が看板を掛け替え、新しい案件(例:ラオランドからLEDへの移行など)へ誘導する手口も常套手段です。こうした「次々販売」的な手法に対しては、警察当局も監視を強めており、今後の摘発や法改正の動向が注目されます。
出典:在ラオス日本国大使館「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」、消費者庁「詐欺的な投資勧誘トラブル」

6. リスク回避のための注意点
海外投資に関連する勧誘を受けた際は、以下の点を確認し、少しでも該当する場合は取引を控えることが賢明です。
- 「年利20~30%保証」など、市場平均を大きく超える確定利回りの提示。(断定的判断の提供は法律で禁止されています)
- 「元本保証」「絶対儲かる」という表現の使用。これらは出資法で禁止されている預かり金的な性質を帯びる可能性があります。
- 投資契約の実態が不明瞭、または日本国内の金融商品取引業者として登録されていない。
- 個人名義の口座への振込を指定される。
- 被害に遭った、または不安を感じた場合は、速やかに消費生活センター(局番なし188)や警察、弁護士に相談してください。
早期の相談と行動が、被害拡大を防ぎ、場合によっては一部返金につながる唯一の道です。

7. 結論
ラオス関連投資トラブルの教訓は、「高配当と安全性の両立はあり得ない」という投資の鉄則を再確認することです。今回取り上げた事例のように、実体の不透明な海外事業を隠れ蓑にし、巧妙な勧誘を行うグループが存在することは事実です。
一度失った資金を取り戻すのは極めて困難です。甘い言葉で勧誘された際は、まず金融庁の登録業者リストを確認し、第三者の専門家に相談するリテラシーが求められます。「自分だけは大丈夫」と思わず、常に最新の詐欺手口を学び、資産を守る行動を徹底しましょう。
