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1. SNS型投資詐欺
2025年現在、ますます巧妙化している投資詐欺の中でも特に注意が必要なのがSNS型投資詐欺です。SNSの広告枠や有名人の写真を不正に使用し、「これなら絶対に儲かります」「特別なセミナーに無料招待します」という甘い言葉でユーザーを誘導してきます。著名人の名を騙った広告を目にすると、つい信じてしまいがちですが、このような広告は十分に警戒しなくてはなりません。さらに、詐欺グループはSNS内のグループチャットやコミュニティを活用し、あたかも全員が利益を得ているかのように装うサクラを多数用意しているケースが増えています。
一度でも「少額で利益が出た」という“証拠”を示されると信頼感が生まれやすく、それにつけ込み高額投資を勧める手法が横行しています。さらに「手数料を支払えば大きな利益が出金できる」と言われ、いくつもの名目で追加の振り込みを求められた挙句、最終的に連絡が途絶えるという被害が後を絶ちません。一度大金を振り込むと取り戻すのは困難なため、まずはSNSでの「必ず儲かる」「誰でもすぐに高収益」といったフレーズを見たら、真偽をしっかり疑う意識を持ちましょう。
被害事例としては、高齢者のみならず若年層もSNS広告から詐欺に巻き込まれるケースが増加しています。少額投資であっても一度お金を動かしてしまうと、詐欺師側はさらに大きな利益をエサに追加投資を求める手口を使います。結果として生活資金や退職金までも失う深刻な被害につながる恐れがあります。
回避法としては、まずSNS広告や見知らぬ「有名人主催」の無料投資セミナーに安易に乗らないことが重要です。無料であることを強調しながら、あとでさまざまな名目の費用を請求してくるのが典型手口です。もし少しでも疑わしいと感じたら、家族や専門機関に相談したり、警察庁の専用ダイヤル(#9110)などに問い合わせましょう。
2. マッチングアプリ型競馬投資詐欺
恋愛感情を利用して投資詐欺を行う「ロマンス詐欺」は以前から報告されていますが、最近ではマッチングアプリで知り合った異性が競馬投資ソフトへの加入を勧めるという手口が増えています。「親密な関係になってから、おいしい投資話を持ちかける」という段取りで、被害者に安心感を抱かせるのが特徴です。
具体的には、マッチングアプリ上でやり取りを続け、デートや親密なやり取りを通じて信頼関係を作ります。その後、「実はこれで大きく儲かっている」「誰にも言っていない特別な方法だから、あなたにもこっそり教えるよ」などと投資ソフトや競馬予想ツールを紹介してくるのです。さらに公共の場所ではなく、相手の自宅やマンションの一室で勧誘を行う場合が多く、逃げにくい雰囲気を作り出されてしまいます。
被害が発覚しにくい背景には、被害者が「恋人」だと思っている相手を疑いたくない心理があります。そのため、大金をクレジットカードで支払わされたり、ローンを組まされたりしてから初めて詐欺と気づく事例も少なくありません。契約後に結果が出ず、問いただしても「もう少し待てば稼げる」と言われ、ズルズルと引き伸ばされてしまうのです。
回避法としては、マッチングアプリを通じて「儲け話」「競馬投資ソフト」「副業で稼げる」という話が出たら即座に疑うことが大切です。また、すでに契約を結ばされてしまった場合はすぐにクーリングオフの手続きや弁護士への相談を検討し、可能な限り早い段階で対処するようにしましょう。
3. 偽の暗号資産取引詐欺
暗号資産(仮想通貨)は投機的な性質から、詐欺師の恰好のターゲットとなっています。最近の手口では、「特別なアプリをダウンロードすれば、誰でもカンタンに暗号資産で儲けられる」「未公開株を取得しておけば将来高騰が約束される」などと高額な収益を謳う詐欺が横行しています。一見すると本物の取引画面のような精巧なアプリが用意されているケースもあるため、金融リテラシーが低い人だけでなく、ある程度投資経験のある人でも騙されるリスクが高い状況です。
具体的には、アプリ上で「保証金」「税金」などの名目で複数回振り込みを要求され、最終的には「出金するためにはさらなる支払いが必要」と言われ続けます。もちろん、出金申請を行っても実際にはお金が返ってこないのが特徴です。さらに、新たにリリースされる暗号資産や未公開株を安く購入させ、「これだけの価値がついた」と偽装された画面を見せ、被害者を信じ込ませる例が後を絶ちません。
回避法としては、暗号資産関連の投資話が出た場合、まずは金融庁の登録業者リストに掲載されているかどうかを確認するのが重要です。相手が「海外の業者だから大丈夫」「このアプリは特別ルートだから登録されていない」などと説明してくる場合は極めて危険といえます。また、出金時に保証金や税金を要求されるのは典型的な詐欺パターンですから、絶対に追加で振り込まないようにしましょう。
4. ロマンス詐欺による投資勧誘
ロマンス詐欺は近年増加傾向にあり、国際的な詐欺グループが関与するケースも多々報告されています。SNSやマッチングアプリ、さらには国際交流サイトなどで外国人や成功者を装った人物と知り合い、深い恋愛感情を育んだかのように見せかけ、最終的に投資やビジネス資金の名目で大金を騙し取るというのが典型的な流れです。
このような手口は心理的依存を強く利用します。被害者は相手との将来の夢や結婚の話を信じ込み、少額の投資から始まり、最終的には借金をしてでも投資資金を用意しようとするほどのめり込んでしまうケースが後を絶ちません。さらに、利益が発生したと偽って報告され、「引き出すためには手数料が必要」「トラブルが発生したから追加で保証金を振り込んで欲しい」と言われれば、全財産を差し出してしまうこともあります。
回避法としては、恋愛関係にある・または親しくなったと思っていても金銭の話が出たら慎重になることが大切です。「将来のため」「二人の幸せのため」といった言葉で資金提供を促されたら、一度冷静になり、第三者や公的機関に相談することを心がけましょう。
5. 副業名目詐欺
コロナ禍以降、在宅で稼ぐ「副業」が注目を浴びていますが、そこにも詐欺の魔の手が忍び寄っています。副業系の詐欺では、「誰でも簡単に在宅ワークで月に〇十万円稼げます」「モニター会員になれば報酬が保証されます」といった魅力的な言葉が用いられます。しかし、実際には初期費用や登録料を支払わせるだけ支払わせ、仕事が実在しなかったり、連絡が途絶えたりするケースが多発しているのです。
副業を始めたいという切実な経済事情を抱えた人ほど、こうした「簡単に稼げる話」に飛びつきやすい面があります。詐欺師はその心理を巧みに利用し、高額な会員登録料や教材費を請求し、途中で「もっと高額なプランを契約しないと本当に稼げない」とアップセルを繰り返す手口を使います。結果として何十万円、何百万円も支払ったのに、仕事自体が存在しなかったという被害が後を絶ちません。
回避法は、初期費用や登録料、あるいは「高額なセミナー受講料」などを請求されたら即座に詐欺を疑うことが肝心です。本当に副業であるならば、先に多額の資金を求めるケースは極めて稀でしょう。実態のわからない副業勧誘や異常に美味しい条件が提示されたら、近隣の消費生活センターや公的機関に相談するのが賢明です。
6. まとめと対策
ここまで紹介した5つの投資詐欺の新手口はいずれも、「誰でも儲かる」「絶対安全」といった甘い言葉で誘い込み、段階的に追加費用を要求するパターンが多い点で共通しています。どの手口も巧妙化が進んでおり、高齢者だけでなく、投資経験のある世代や若年層までも広く被害が拡大しているのが2025年の現状です。
対策としては以下のポイントを意識することが重要です。
- SNSやマッチングアプリでの儲け話には即座に警戒する。
- 「必ず儲かる」「元本保証」といった表現を安易に信じない。
- 自宅や公共の場以外での契約や説明には注意する。
- 相手が恋愛感情を利用してきた場合は、一度冷静になり周囲に相談する。
- 初期費用・登録料を伴う副業話や投資話は信頼性をしっかり確認する。
- 万が一詐欺被害に遭った・遭いそうになったら迷わず警察や弁護士に相談する。
特にオンライン環境では、画面上のやり取りだけで全てを信用してしまう危険性があります。巧妙な詐欺グループは公式サイト風のLP(ランディングページ)やプロが作ったような広告を使い、被害者を巧みに誘導します。投資の話ではなくとも、見知らぬ相手からの金銭要求は決して安易に応じてはいけません。
一瞬でも「おかしいな」と感じたら、必ず専門家や公的機関に問い合わせ、早めの段階で事実を確認することが被害拡大の防止に直結します。自分は騙されないと思っていても、詐欺師は「あなたの悩みや不安」を巧みに突いてきます。甘い言葉で誘われる投資情報や副業案件には、最新の注意を払いましょう。
結論
投資詐欺の手口は日々変化し、より巧妙になっています。2025年最新版として紹介したSNS型投資詐欺、マッチングアプリ型競馬投資詐欺、偽の暗号資産取引詐欺、ロマンス詐欺、副業名目詐欺の5つはいずれも被害が急増しているため、注意が必要です。「おかしい」と感じたら早めに相談し、一人で抱え込まないことが何よりも大切です。自分や大切な人を守るためにも、正しい知識と強い警戒心を持って詐欺に対処していきましょう。