騙されるな！プロが教えるパソコンの選び方と適正価格

1. 値段＝性能ではない？パソコン選びで失敗しないための心構え

パソコンを購入する際、多くの方が「高いパソコン＝性能が高い」と考えがちです。ですが、実際には同じスペックでも販売価格が大きく異なるケースも珍しくありません。これは、メーカーのブランド代やプリインストールされているソフトウェア代、流通コストなどが上乗せされていることが大きな原因です。いわば「パソコンの値段はあってないようなもの」という状況になっているのです。

そこで、まず理解しておきたいのが「自分の用途に合わせてスペックを見極める」ということ。価格に惑わされず、必要なパーツや性能をしっかり確認することが重要です。初心者の方がぼったくられないように、まずはCPUやメモリ、ストレージ、GPUの役割を押さえておきましょう。

2. 日常・ビジネス用途で必要なスペックとは

パソコンを選ぶ際に最初に考えるべきは「何をするか」という用途です。たとえば日常使いやビジネス用途であれば、オフィスソフトの操作やブラウジング、メールのやり取り、動画視聴などがメインになるでしょう。

これらの日常的な作業を快適にこなすために押さえておきたいパーツは以下のとおりです。

• CPU: 一般的には「Intel Core i5」や「AMD Ryzen 5」クラスで十分。ただし世代（末尾の数字）によって大きく性能が異なるため、「第何世代か」をチェックすることが大切です。
• メモリ: 最低でも8GB、快適さを求めるなら16GBが望ましい。
• ストレージ: M.2 SSDを搭載したパソコンを選ぶことで、起動やファイルの読み書きが高速化されます。

この3つを押さえておけば、テレワークを含めた普段使いはほぼ快適にこなせます。特にCPUは、単に「Core i5」「Core i7」といった名前だけではなく、末尾の世代番号が新しいかどうかを確認するのがポイント。たとえばCore i5-1235Uなど、5桁以上の数字（12xxxや13xxx）が最新世代となります。

さらに、「IntelなのかAMDなのか」などメーカーの違いも気になるかもしれません。しかし、最重要なのは実際の性能指標である「パスマーク（PassMark）」などの数値。これをしっかりチェックすれば、IntelかAMDかを深く気にしなくても、求める性能帯を見極めることができます。

3. ゲームや動画編集に必要なGPU搭載パソコン

ゲームや動画編集、3Dモデリングといった重い作業をするには、先ほど挙げたCPU・メモリ・ストレージに加えて「GPU（グラフィックボード）」が必須です。

GPUを搭載していない一般的なパソコンは、CPUに内蔵された簡易的なグラフィック機能で処理を行うため、重いゲームや高解像度の動画編集には性能が追いつきません。一方、専用のGPUを搭載したパソコン（いわゆるゲーミングPCやクリエイターPC）なら、ゲームのフレームレートや動画書き出し速度が大幅に向上します。

特におすすめなのが「NVIDIA GeForce RTXシリーズ」のGPUです。動画編集ソフトのPremiere Proや、画像編集ソフトのPhotoshopなどは、GeForceに最適化されているケースが多く、より高速なエンコードやスムーズな動作を実現してくれます。

ゲーマーであれば、DLSSという技術によるフレームレート向上や、高精細なレイトレーシング表現によってゲーム体験が飛躍的に向上。ゲーム配信者なら、NVENCというエンコード技術が搭載されているため、滑らかな映像と高画質の配信を両立しやすいのです。

4. BTOパソコン＆パソコン専門店を活用せよ

パソコンの価格＝性能ではないと理解したら、次のステップは「自分に最適な一台を適正価格で入手する」ことです。ここで大いに役立つのが、BTOパソコンやパソコン専門店を活用する方法です。

BTO（Build to Order）とは、その名のとおり受注生産の仕組みで、購入時にある程度パーツを選択できるメリットがあります。家電量販店で売られている完成品と違い、不要なソフトや余計なコストが含まれないため、同じスペックでも割安なことが多いのです。

また、パソコン専門店が手がけるBTOブランド（例えばドスパラやマウスコンピューター、パソコン工房など）は、ネット直販が中心のため余計な流通費がかかりません。メーカー保証もしっかりついてくるので、安心して購入できます。

家電量販店で買う場合は、展示パソコンの価格だけでなく、そのスペックが自分の用途にマッチしているかを注意深く確認する必要があります。同じ型番や同世代のCPUでも、プリインストールソフトや付属品の違いで大きく価格が変動し、結果的に「高いお金を払って望まないソフトを買わされる」ということにもなりがちです。

自分がやりたい作業（例えばビジネスソフト中心なのか、ゲーム・動画編集中心なのか）を明確にして、必要なパーツの性能を理解する。あとは家電量販店やネット通販で複数メーカーの同じスペック品をチェックし、「パフォーマンスと価格のバランス」を見比べることで適正価格が分かるようになります。

5. 具体的なスペック例と選び方ガイド

それではもう少し、具体的なスペック例を挙げてみましょう。

• • 日常・ビジネス用途
    CPU: AMD Ryzen 5 7530U や Intel Core i5 第12世代以上
    メモリ: 16GB
    ストレージ: M.2 SSD 512GB
    GPU: 不要（CPU内蔵グラフィックスでも十分）
    価格相場: 5万〜8万円（セール時）
    このクラスであれば普段使いにストレスなく、テレワークにも問題ありません。

• • ゲーム・動画編集
    CPU: Intel Core i7 第12世代以上 もしくは Ryzen 7 7000番台以上
    メモリ: 16GB〜32GB
    ストレージ: M.2 SSD 1TB前後
    GPU: NVIDIA GeForce RTX 3050〜4050以上
    価格相場: 15万〜25万円（ノートかデスクトップか、GPUの上位グレードかによって差が生じます）
    重めのゲームをプレイしたり、動画編集・配信を快適に行うならGPU必須です。

• ハイエンドクリエイター向け
  CPU: Intel Core i7 第13世代以上 もしくは Ryzen 9 シリーズ
  メモリ: 32GB以上
  ストレージ: M.2 SSD 2TB〜
  GPU: NVIDIA GeForce RTX 4060〜4090クラス
  価格相場: 25万〜数十万円
  4K動画編集や3Dモデリングなどの高負荷作業に向いた構成です。

上記はあくまで一例ですが、「性能表と実際の価格を照らし合わせながら、複数比較」して購入を検討することが大切です。ネット通販であればスペック表記が詳しく載っていることが多く、同じCPUやGPUを搭載したパソコンの価格比較が容易にできます。

「高い＝高性能」ではなく、「自分の作業内容に合ったスペック＝コストを抑えつつ快適」という認識を持てば、損をしない賢い買い物ができるようになるでしょう。

結論

パソコン選びで重要なのは「値段＝性能」ではない点をしっかり理解し、自分の用途に合ったスペックを見極めることです。CPUの世代やメモリ容量、ストレージ方式、そして必要に応じてGPU搭載の有無をきちんと確認すれば、無駄な出費やぼったくられを防げます。

とくに、BTOパソコンやネット通販を活用して、複数のメーカー・ショップを比較するのが賢い買い物への近道。メーカー製パソコンはブランド代や不要なソフト代などが価格に上乗せされているケースもありますが、用途にあった商品を選べばメリットが得られる場合もあります。

最終的に大事なのは「自分が本当にしたい作業に対して十分な性能があるかどうか」。値段だけに惑わされず、スペック比較をしながら適正価格を見極めましょう。これがプロが教えるパソコン選びで一番大切なポイントです。

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