この記事の目次（クリックでジャンプ）
１．はじめに
「相続税」って聞くと、なんだか自分には関係ない、遠い世界の話のように感じませんか？
でも実は、相続税は基礎控除額3,000万円＋600万円×法定相続人の数を超えると課税対象になってしまうんです。
例えば、お子さんが2人いるご家庭の場合、基礎控除額は3,000万円＋（600万円×2人）＝4,200万円となります。
「うちはそんなに財産ないから大丈夫！」と思っていても、自宅の評価額や預貯金などを合計すると、意外とあっという間に基礎控除額を超えてしまうことも…。
「相続税なんて払いたくない！」
そう思ったあなたへ。この記事では、税理士が教える、相続税がかからないための驚きの節税対策を５つご紹介します。
知ってるだけで、将来の相続税対策に大きく役立ちますよ！
２．相続税はどのように計算されるの？
相続税対策を具体的に考える前に、まずは相続税がどのように計算されるのか、その仕組みを理解しておきましょう。
相続税の計算は、以下の手順で行われます。
- 相続財産の総額を計算する：現金、預貯金、土地、建物、株式など、被相続人が所有していた全ての財産の評価額を合計します。土地や建物の評価額は、路線価や固定資産税評価額を参考に算出します。
株式の評価額は、上場株式であれば取引所の最終価格、非上場株式であれば類似会社の株価などを参考に算出します。 - 基礎控除額を差し引く：相続財産の総額から、基礎控除額（3,000万円＋600万円×法定相続人の数）を差し引きます。法定相続人とは、民法で定められた相続人のことで、配偶者、子、父母、兄弟姉妹などが該当します。
- 課税価格を計算する：基礎控除額を差し引いた金額が課税価格となります。
- 税率を掛けて相続税額を算出する：課税価格に応じて定められた税率を掛け、相続税額を計算します。相続税の税率は、課税価格が大きくなるほど高くなります。
このように、相続税額は相続財産の総額、基礎控除額、税率によって決まります。
これらの要素を理解した上で、節税対策を検討していくことが重要です。
３．相続税がかからないための５つの節税対策
それでは、具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか？
すぐにでも始められる、効果的な節税対策を５つご紹介します。
3-1. 生前贈与を活用する
生前贈与とは、生きている間に財産を家族に贈与することです。
毎年110万円までは非課税で贈与できますので、計画的に贈与することで、相続財産を減らすことができます。
また、結婚や住宅取得など、一定の条件を満たす場合は、さらに非課税で贈与できる制度もあります。 例えば、住宅取得資金の贈与では、一定の条件を満たせば、最大1,000万円まで非課税となります。
- メリット
- 将来の相続税の負担を軽減できる。
- 相続発生時のトラブルを予防できる。
- 財産の承継をスムーズに行える。
- デメリット
- 贈与税がかかる場合がある。
- 贈与した財産を返還してもらえない可能性がある。
- 贈与後に贈与者と受贈者の関係が悪化する可能性がある。
3-2. 生命保険を活用する
生命保険の死亡保険金は、受取人が相続人である場合、一定の条件を満たせば非課税で相続人に受け継がれます。
具体的には、500万円×法定相続人の数までが非課税となります。
これを活用することで、相続税の納税資金を確保したり、相続財産を減らすことができます。
例えば、相続税の支払いに困ることが予想される場合、生命保険の死亡保険金を納税資金に充てることで、相続財産を売却して現金化する必要性を減らすことができます。
- メリット
- 相続税の納税資金を確保できる。
- 相続財産を減らすことができる。
- 保険金を受け取ることで、相続人の生活を安定させることができる。
- デメリット
- 保険料の支払いが負担になる場合がある。
- 保険金の受取人が限定される。
- 保険金詐欺のリスクがある。
3-3. 配偶者控除を活用する
配偶者が相続する場合は、1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い方の金額まで控除されます。
法定相続分とは、民法で定められた相続人の相続分のことで、配偶者の場合は、被相続人が子供を残して亡くなった場合、遺産の2分の1を相続する権利があります。
これを活用することで、相続税を大幅に減らすことができます。
例えば、配偶者と子供が1人いる場合、配偶者は少なくとも遺産の2分の1を相続することができます。
この場合、配偶者控除額は1億6,000万円と法定相続分のいずれか多い方となるため、1億6,000万円まで控除されます。
- メリット
- 相続税を大幅に減らすことができる。
- 配偶者の生活を保障することができる。
- 相続手続きを簡素化できる。
- デメリット
- 配偶者以外の相続人が不利になる場合がある。
- 配偶者が再婚した場合、相続財産が配偶者の新たな配偶者に移転する可能性がある。
3-4. 小規模宅地等の特例を活用する
自宅の土地や、事業に使っている土地を相続する場合、一定の条件を満たせば、評価額を最大80％減額することができます。
この特例を受けるためには、相続開始時に被相続人がその土地に住んでいたことや、相続人がその土地に住み続けることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
これは、相続税対策として非常に有効な特例です。
例えば、評価額1億円の自宅を相続する場合、小規模宅地等の特例を活用することで、評価額を2,000万円まで減額することができます。
- メリット
- 相続税を大幅に減らすことができる。
- 自宅や事業用地を相続しやすくなる。
- デメリット
- 特例の適用要件が厳格である。
- 特例の適用を受けるためには、一定の期間、土地を保有し続ける必要がある。
3-5. 遺産分割協議を活用する
遺産分割協議とは、相続人同士で遺産の分け方を話し合うことです。
この協議の中で、誰がどの財産を相続するかを決め、相続税の負担を調整することができます。
例えば、相続税の負担能力が高い相続人に、評価額の高い財産を相続させることで、相続税の総額を減らすことができます。
- メリット
- 相続税の負担を公平にできる。
- 相続人同士の争いを予防できる。
- 相続財産の分割方法を自由に決めることができる。
- デメリット
- 遺産分割協議がまとまらない場合がある。
- 遺産分割協議に時間がかかる場合がある。
- 遺産分割協議の結果、一部の相続人が不利になる場合がある。
４．税理士に相談してみよう！
相続税は複雑な制度であり、個々の状況によって最適な対策は異なります。
専門家である税理士に相談することで、より効果的な相続税対策を行うことができます。
税理士は、相続財産の評価、相続税の試算、節税対策の提案など、相続に関する様々なサポートを提供してくれます。
また、相続手続き全般についても相談に乗ってくれるため、相続発生後の手続きをスムーズに進めることができます。
５．まとめ｜相続税対策は早めが肝心！
相続税対策は、早めに行うほど効果的です。
なぜなら、生前贈与や生命保険の活用など、時間をかけて行う必要がある対策もあるからです。
また、相続発生前に税理士に相談しておくことで、相続発生後の手続きをスムーズに進めることができます。
この記事でご紹介した節税対策を参考に、将来の相続に備えましょう。
相続税は、誰もが直面する可能性のある問題です。
しかし、事前にしっかりと対策をしておくことで、相続税の負担を軽減することができます。
この記事でご紹介した内容を参考に、ご自身の状況に合った相続税対策を検討し、将来に備えましょう。
※ 注意
この記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の個人に対する個別具体的な税務アドバイスを行うものではありません。
具体的な相続税対策については、税理士等の専門家にご相談ください。
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