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1. Daisy (D.AI.SY) クラウドファンディングの現状
Daisy (D.AI.SY)は、AIを活用した仮想通貨の自動売買システムへの出資を募り、高利回りを謳って世界中から資金を集めたクラウドファンディングプロジェクトです。2021年頃からSNSを中心に勧誘が活発化し、「年利300%」といった驚異的なリターンや、紹介者を出すことで得られるボーナス制度を売りに参加者を増やしました。
運営母体とされる「エンドテック社(Endotech)」や、開発者とされるアンナ・ベッカー博士の存在が強調されていましたが、2024年に入り状況は一変。出金停止やプロジェクトの移行などが相次ぎ、多くの投資家が資金回収困難な状況に陥っています。
本記事では、Daisyプロジェクトの仕組み、出金停止に至る経緯、そしてポンジ・スキーム(自転車操業)の疑いが持たれている理由について、客観的な事実に基づき解説します。
2. 2024年の出金停止とプロジェクト移行の混乱
2024年初頭、Daisyプロジェクトでは突如として出金申請の停止や遅延が発生しました。運営側は当初、「システムのアップグレード」や「新たなライセンス取得のための手続き」を理由に挙げていましたが、数ヶ月経過しても正常化の兆しは見られませんでした。
さらに運営側は、Daisyプロジェクトを終了させ、新たに「Limitless(リミットレス)」や「Blockchain Sports」といった別プロジェクトへの移行を推奨し始めました。これは、既存のDaisyへの出資金を新プロジェクトへ移管(スワップ)させることで、実質的にDaisyでの出金義務を回避しようとする動きではないかとの指摘が相次いでいます。
現在、多くの投資家が「資金がロックされたまま引き出せない」「新プロジェクトへ移行したが、そこでも利益が得られるか不明」といった不安を抱えています。

3. 非現実的な高利回りとポンジ・スキームの構造的懸念
Daisy (D.AI.SY)に対しては、そのビジネスモデル自体にポンジ・スキームの疑いが強く持たれています。その根拠として、以下の点が挙げられます。
- 異常な高利回り: 「年利300%」など、通常の金融市場では考えにくいリターンを保証・示唆していた点。
- 運用実態の不透明さ: AIによるトレード実績として公開されたデータに信憑性が乏しく、第三者機関による監査証明などが不十分であった点。
- 紹介報酬への依存: 新規参加者を勧誘することで多額のボーナスが得られるMLM(マルチレベルマーケティング)方式を採用しており、運用益ではなく「新規加入者の出資金」が配当の原資になっていた可能性が高い点。
このような構造は、新規加入者が途絶えた時点で破綻する典型的な投資詐欺スキームと酷似しており、金融庁や消費者庁も類似の手口に対して度々注意喚起を行っています。

4. 被害者が語る実態とコミュニティの反応
SNSやインターネット上の掲示板では、Daisy参加者からの悲痛な声が溢れています。
- 「出金申請をして半年以上経つが着金しない」
- 「リーダーに問い合わせても『待て』としか言われない」
- 「新プロジェクトへの移行手数料を追加で請求された」
特に深刻なのは、知人や友人を勧誘してしまったケースです。「絶対に儲かる」と信じて紹介した結果、人間関係が崩壊し、加害者としての責任を問われる事態に発展している例も少なくありません。一部の勧誘リーダーは既に連絡を絶ったり、SNSのアカウントを削除して逃亡したりしているとの情報もあります。
5. 新プロジェクト「Blockchain Sports(Limitless)」への警戒
Daisyの実質的な後継案件とされる「Blockchain Sports」や「Limitless」についても、警戒が必要です。運営メンバーがDaisyと重複している点や、高額なパッケージ販売、紹介報酬制度など、Daisyと同様のスキームが採用されています。
「スポーツ選手の育成をDAOで支援する」といった魅力的なストーリーが語られていますが、Daisyでの資金拘束が解決していない以上、新プロジェクトが健全に運営される保証はどこにもありません。「損失を取り戻すために新プロジェクトに参加する」という行動は、さらなる被害(二次被害)を生むリスクが高いため、極めて慎重な判断が求められます。

6. 投資詐欺を見抜くポイント
Daisyのようなトラブルに巻き込まれないために、以下のポイントを必ず確認しましょう。
1. 金融庁への登録確認: 日本国内で投資勧誘を行う業者は、金融商品取引法に基づく登録が必要です。金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」に名前がない場合、無登録営業(違法)の可能性があります。
2. 「元本保証」「確実」の言葉: 投資に絶対はありません。これらの言葉を使って勧誘することは法律で禁止されています。
3. 仕組みの複雑さ: 「AI」「ブロックチェーン」「DAO」など、専門用語を多用して煙に巻く説明には注意が必要です。利益の源泉が明確に説明できない案件は避けるべきです。

7. Daisy後の世界:投資家が注意すべきこと
現在、出金ができずに困っている方は、以下の対応を検討してください。
・証拠の保存: 入出金履歴、勧誘時のメッセージ、サイトのスクリーンショットなどを保存する。
・公的機関への相談: 消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)、金融庁の相談窓口へ連絡する。
・法律の専門家へ相談: 詐欺被害に詳しい弁護士に相談し、返金請求の可能性を探る(ただし、回収が困難なケースも多いことは覚悟が必要です)。
また、SNS等で「返金を手伝う」と持ちかけてくる探偵業者や弁護士(を名乗るアカウント)の中には、着手金を騙し取る二次被害の事例も報告されています。信頼できる公的窓口や弁護士会を通じて専門家を探すことを強くお勧めします。
8. 結論
Daisy (D.AI.SY)は、革新的なテクノロジーを謳いながらも、実態は持続不可能な配当モデルであった疑いが濃厚です。2024年の出金停止と新プロジェクトへの強制的な移行は、このスキームが限界を迎えたことを示唆しています。
投資において「高利回り」と「安全性」は両立しません。甘い言葉に惑わされず、自らの資産を守るためのリテラシーを高めることが、何よりの防御策となります。

