この記事の目次（クリックでジャンプ）
1. 「髪が増える術」の概要
「髪が増える術」というキーワードを聞くと、育毛剤を買うなど外からのケアばかりを想像しがちです。ですが実は、髪を育てるために大切なのは内側と外側の両面からのアプローチです。
私たちの頭髪は、加齢やストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな理由でボリュームが失われやすいもの。しかし、正しい知識を身に付ければ、お金をかけずとも改善できる方法は数多く存在します。
まず知っておきたいのは、薄毛や白髪を「遺伝だからどうしようもない」と思い込むのは早計だということ。遺伝による影響はゼロではないものの、多くのケースで「日々のケア」や「体質改善」によって十分に髪の状態を好転させることが可能です。
髪が弱る原因として大きいのは、頭皮の血行不良。私たちの体内で栄養が行きわたる順番は、心臓や脳などの重要臓器が先で、髪はどうしても後回しになりやすいのが事実です。そこで、血流を促して栄養を行き届かせる必要があります。
また、頭皮の皮脂を落としすぎる洗髪や、ストレスによる自律神経の乱れによっても髪は痩せていきます。加えて、毛穴に詰まった「過酸化脂質」が育毛の大きな敵になることも知っておきたいポイントです。
本記事では、週に数回のオイルパックなどのケア方法や、髪を内側から育てるための生活習慣を詳しく解説していきます。さらに、白髪や抜け毛の進行を抑えるヘアカラーの工夫などにも触れていきますので、ぜひ最後までお読みいただき、悩みの根本を解消していきましょう。
2. 髪を元気にする習慣
髪を元気にするために押さえるべきポイントは、大きく分けて以下の3つに集約されます。
1）オイルパックで毛穴詰まりを解消
2）体温を意識し、血行を促進
3）ドライヤーの使い方を見直す
これらは実践しやすく、しかもお金や時間を過度にかけることなく始められます。それぞれ見ていきましょう。
【1）オイルパックで毛穴詰まりを解消】
頭皮には、適度な皮脂があることでバリア機能を担い、常在菌のバランスを正常に保ちます。しかし、皮脂が参加すると「過酸化脂質」という髪にとって大敵の物質に変化します。
過酸化脂質は毛穴を塞ぎ、髪の成長を妨げるばかりでなく、ニオイやフケ、頭皮炎症の原因にもなるのです。
そこでおすすめなのが「オイルパック」。植物性の天然オイル（ホホバオイル、アーモンドオイル、オリーブオイルなど）を髪に塗り、15分ほど置いて軽くマッサージする方法です。
洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ落とそうとすると、必要な皮脂まで根こそぎ洗い流してしまうため逆効果。オイルパックによって過酸化脂質を浮かせ、シャンプーでは落としきれない汚れをやさしく取り除くのが理想的なのです。
【2）体温を意識し、血行を促進】
現代人はストレスや運動不足などで体温が下がりやすく、冷えや低体温に悩む人が少なくありません。体温が低いと血行が悪くなり、頭皮の毛細血管に十分な栄養が行き届かないため、抜け毛や薄毛につながります。
目安としては、男性で36.7度、女性で36.2度を目指すと良いとされています。エレベーターではなく階段を使う、ゆっくり湯船につかる、軽いストレッチや筋トレを行うなど、日常生活の中で体を温める習慣を取り入れてみましょう。
逆に、体温が高すぎる方（汗っかき、高血圧など）も、頭部の熱がこもりがちになるので育毛によくない側面があります。自分がどのタイプかを把握して、タイプに合った育毛ケアを選ぶことが大切です。
【3）ドライヤーの使い方を見直す】
髪は濡れた状態がいちばん傷みやすいとされていますが、かといってドライヤーの熱が頭皮に直接当たるのも良くありません。
ドライヤーは髪を乾かす目的で使い、頭皮まで乾燥させるような強風や高温は避けます。髪の流れに沿って風をあて、頭皮に直接熱風を当てないよう上から下・または下から上へ向かって乾かしましょう。
さらに、7割ほど乾かしたら温風から冷風に切り替えると、過度な乾燥を防ぎ髪の潤いを保ちやすくなります。スカルプ機能付きのドライヤーを選ぶのも一手です。
3. シャンプーと食事のポイント
髪の健康を保つには、正しい洗髪とバランスの良い食事が欠かせません。具体的にどんなところに注意すればよいのか見ていきましょう。
【シャンプーで大切なのは「洗いすぎない」こと】
「汚れを落としたいから」と、毎回強い洗浄力のシャンプーを使ってゴシゴシ洗うのは逆効果。前述の通り、皮脂膜は頭皮を保護する大切な役割を担います。
必要な皮脂まで落としてしまうと、頭皮が乾燥してそれを補うために余分な皮脂を分泌し、皮脂過多の悪循環にはまりがちです。
汗やほこりなど当日の汚れを落とす程度にとどめ、定期的にオイルパックで毛穴の中のしつこい汚れを落とすのがベストと言えます。
【「海藻＝髪によい」は都市伝説？】
昔から「ワカメや昆布を食べると髪が増える」と言われてきましたが、実際には科学的根拠が薄いとされています。
しかし、だからといって海藻が無意味というわけでもありません。海藻類には水溶性食物繊維が豊富に含まれており、これは腸内環境の改善に大いに役立ちます。
腸内環境が整うと、髪を育てるための栄養が身体の各所に行き渡る可能性が高まるのです。さらには、鉄や亜鉛といったミネラル成分も豊富に含まれているため、まったく効果がないわけではありません。
腸が元気になれば髪も元気になる、という視点で、海藻や豆類、きのこなどを積極的に摂るのは有効です。
【枕と姿勢が意外な落とし穴に？】
髪の毛は就寝中に成長や修復が進みます。そのため、睡眠の質を上げることが髪を増やすうえでもとても大切。
しかし、不適切な枕を使って首のコリを引き起こしていると、頭部への血液やリンパ液の流れが悪くなりがちです。さらに、寝苦しさで自律神経に負担がかかり、深い眠りを妨げます。
首や肩がこっている人が、枕を替えただけで抜け毛が減ったというケースは珍しくありません。自分の首のカーブや体格に合った枕を使うことで、自然な呼吸と深い睡眠が得やすくなります。
【スマホやPC使用時の姿勢も要注意】
うつむいて画面を見続けていると、首の付け根や背中がガチガチに固まるばかりでなく、血流やリンパの流れを滞らせてしまいます。結果的に、頭皮にも栄養が行き届きにくい状態に。
また、首コリは円形脱毛などの症状とも深く関わるといわれています。ちょっとした高さ調整や、スマホを顔の高さに持ち上げる意識を持つだけでも効果はありますので、「うつむき姿勢」をできる限り回避しましょう。
【ヘアカラーと頭皮ダメージの関係】
白髪を隠したりオシャレを楽しんだりするために頻繁にヘアカラーをする方も多いでしょう。ただ、ヘアカラーに含まれる酸化染料は刺激が強く、頭皮を荒らす危険性も。
そこで、白髪が少ないうちはヘアマニキュアやヘナなど、頭皮へのダメージが少ない方法から試すと良いでしょう。
もしどうしてもカラーリングが必要であれば、美容師さんにお願いして頭皮に薬剤が直接つかないよう根元を浮かせて塗ってもらう、あるいは頭皮保護剤を使ってもらうなどの対策がおすすめです。
小さな工夫ではありますが、積み重なれば抜け毛や枝毛、切れ毛などのトラブルを回避しやすくなります。
4. まとめ：実践で得られる効果
ここまで述べてきたように、髪を増やす術は高価な育毛剤やサプリメントだけに頼るものではありません。
まずは次の3ステップを徹底してみてください。
1）育毛の妨げになる過酸化脂質を除去する（オイルパックの活用）
2）頭皮環境を整えるため、洗いすぎに注意した正しいシャンプーを行う
3）体温・姿勢・睡眠・栄養など、体全体の健康を意識して髪を内側から育てる
このベースをしっかり整えたうえで必要に応じて育毛剤やヘアカラーの工夫をすれば、髪をより太く強くしていくことが期待できます。
日々のケアを続ければ、髪が抜けるたびに「次はもっと強い髪を生やせる」という前向きな気持ちを持てるようになります。
少しの努力で神経質になる必要はありません。オイルパックやドライヤーの使い方、体温アップの習慣など、今日から取り入れられることがたくさんあります。
大切なのは、結果を急ぎすぎず「正しいケアを積み重ねる」こと。しっかり続けることで髪のボリューム回復や、白髪の進行を遅らせる効果を得られるはずです。
結論
「髪が増える術」は決して難しいものではありません。頭皮に過度な刺激を与えず、体の内側から髪を育てる習慣をコツコツ続けることで、誰にでもボリュームアップの可能性が広がります。
育毛剤や高価なケア商品に頼る前に、まずはオイルパックや睡眠環境の見直しなど、手軽に始められる方法から挑戦してみましょう。
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