
本記事では、S DIVISION HOLDINGS INC.(以下、SDH社)と株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT(以下、キャピタル社)、そして両社の代表である須見一氏に関わる金融商品取引法違反問題や2026年現在の返金状況について、公開情報を基に詳細を解説していきます。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
1. エスディビジョン 返金問題の概要
本レポートは、SDH社の最新情報、特に2026年における投資家への返金状況を徹底的に分析したものです。公開資料に基づき、SDH社の背景、規制当局による調査と法的措置、2026年現在の状況、そして投資家が返金を受けられる可能性について検証します。
主な焦点は、SDH社とその関連会社であるキャピタル社、および両社の代表者に対する法的措置と、それらが投資家への償還・返金にどのような影響を与えているかにあります。
2. エスディビジョン (S DIVISION) の背景と事業実態

会社概要と事業内容:
SDH社はフィリピンに拠点を置く金融会社を標榜していますが、日本の金融商品取引業の登録は受けていません。SDH社は、レンディング事業やファイナンス事業などをフィリピン国内で行う複数の現地法人を統括するグループ(SDHグループ)を運営していると説明されていました。
資金調達の手法:
SDH社は、グループの運営資金を調達するため、社債(外国社債)を発行していました。勧誘においては、マイクロファイナンス事業の社会貢献性や安全性、そして年率24%(一部では8%〜12%)という高利回りが強調され、多くの投資家から資金を集めていました。日本側の窓口としてキャピタル社などが関与し、セミナー等を通じて勧誘活動が行われていました。
株式会社STEPCAPITALMANAGEMENTとの関連性:
キャピタル社は、SDH社と密接な関係を持つ日本法人であり、両社の代表者は同一人物(須見一氏)です。この事実からも、実質的に一体となって日本国内での資金調達を行っていたと見られています。
3. 規制当局の調査と法的措置の経緯

証券取引等監視委員会(SESC)の調査と申立て:
金融庁の証券取引等監視委員会(SESC)は、SDH社とキャピタル社に対して調査を実施し、金融商品取引法違反(無登録営業等)の事実を認定しました。これを受け、SESCは裁判所に対し、違反行為の禁止及び停止を命じるよう申し立てを行いました。
出典:証券取引等監視委員会「S DIVISION HOLDINGS INC.らによる金融商品取引法違反行為に係る裁判所への禁止及び停止命令申立てについて」
違法行為の認定内容:
調査の結果、SDH社らは必要な有価証券届出書を提出せずに外国社債の募集を行っていた(無届募集)ほか、キャピタル社は金融商品取引業の登録を受けずに組織的に勧誘を行っていた(無登録金融商品取引業)ことが判明しました。2016年から2022年にかけて、延べ4000人以上の投資家に対し、約200億円相当の社債等が販売されたとされています。
裁判所による禁止・停止命令:
2023年11月1日、大阪地方裁判所はSDH社、キャピタル社、および代表者に対し、金融商品取引法違反行為の禁止および停止命令を発令しました。これにより、同社らは日本国内において、無届・無登録での勧誘活動を法的に禁じられた状態となっています。
4. 2026年現在のエスディビジョン 返金リスク状況

業務停止命令の影響継続:
2023年の司法判断以降、同社らに対する禁止命令は継続しており、日本国内での新たな資金調達は事実上不可能な状態です。これは、償還原資を確保する手段が著しく制限されていることを意味します。
配当支払いの停止と連絡途絶:
複数の投資家情報によると、2024年以降、配当の支払いは完全に停止しており、元本の償還も行われていないケースが大半です。会社側からの具体的な説明や連絡も途絶えがちになっており、投資家の間では不安が高まっています。
破産等の法的整理の有無:
現時点(2026年初頭)において、SDH社またはキャピタル社が日本国内で正式な破産手続きを開始したという公的情報は確認されていません。しかし、事業実態が不透明なまま配当が停止している現状は、事実上の経営破綻に近い状態である可能性を否定できません。
5. エスディビジョン 返金状況の詳細分析 (2026年版)

返金の可能性とハードル:
裁判所の命令は「違法な勧誘の停止」を命じるものであり、直接的に「返金」を命じるものではありません。したがって、返金を受けるには投資家個々人が民事訴訟などを通じて請求を行う必要がありますが、相手方が海外法人であることや、国内資産の保全状況が不明であることから、回収のハードルは極めて高いと言わざるを得ません。
ポンジスキームの懸念:
SESCの公表資料では、一般論として「無登録業者は自転車操業(ポンジスキーム)を行っている可能性がある」との注意喚起がなされています。SDH社についても、新規の出資金を既存顧客への配当に回していた疑いが指摘されており、事業の実在性や収益性そのものに疑義が生じています。
一部返金の報告と実態:
過去には「一部返金された」という口コミも存在しましたが、2025年以降、まとまった返金がなされたという確たる報告は減少しています。現在は、弁護士を通じた集団訴訟や被害回復の試みが一部で行われていますが、全額回収に至った事例は公には確認されていません。
6. 投資家の視点と懸念

広がる不安と「まるの会」の存在:
投資家の間では、SDH社の勧誘に関与していたとされるコミュニティ「まるの会」や、その主要人物である一條好男氏の動向にも注目が集まっています。一條氏はSDH社への投資を推奨していたとされますが、現在はSDH社側とのトラブルや交渉決裂が報じられるなど、情報が錯綜しており、投資家の混乱に拍車をかけています。
「詐欺」という認識の拡大:
金融庁による処分や配当停止の事実を受け、多くの投資家は「投資詐欺に巻き込まれた」という認識を強めています。SNSや掲示板では被害者の会を結成する動きも見られますが、解決への道筋は依然として不透明です。
7. 今後のシナリオと展望|エスディビジョン 返金の行方

事態の長期化:
2026年に入っても事態の好転は見られず、問題は長期化の様相を呈しています。海外法人を相手取った法的続きには多大な時間と費用がかかるため、個人の力だけで解決するのは困難です。
刑事事件化の可能性:
今後、被害届の提出状況や捜査当局の判断によっては、金商法違反だけでなく詐欺罪等での立件・刑事事件化へ発展する可能性も残されています。もし警察による捜査が本格化すれば、隠匿資産の発見や被害回復給付金制度の適用などが視野に入るかもしれませんが、現時点では不確定要素です。
現実的な対応策:
投資家にとっての現実的な選択肢は、弁護士等の専門家に相談し、法的な時効の中断や債権の届出(もし破産等になれば)に備えること、そして同様の被害者と連携して情報を共有することに限られてきているのが現状です。
8. 結論|エスディビジョン 返金は期待できるのか?

S DIVISION HOLDINGS INC. および関連会社は、無登録での違法な勧誘行為により裁判所から業務停止命令を受けており、2026年現在、事業活動および配当支払いは停止状態にあります。
「返金」に関しては、会社側の自主的な対応は極めて期待薄であり、法的手続きを経ても資産回収は困難を極めると予想されます。投資家の皆様は、安易な「返金代行」等の二次被害に注意しつつ、公的機関や信頼できる弁護士からの情報収集を継続することを強く推奨します。
9. 付表:関連出来事と公的措置のタイムライン

以下に、SDH社に関連する主要な出来事と規制当局による措置をまとめました。
| 時期 | 出来事・措置 |
|---|---|
| 2016年〜2022年 | SDHグループが延べ4000人超に対し約200億円の社債等を販売 |
| 2023年6月28日 | 証券取引等監視委員会(SESC)が大阪地裁へ禁止及び停止命令を申立て |
| 2023年11月1日 | 大阪地方裁判所がSDH社らに金融商品取引法違反行為の禁止・停止命令を発令 |
| 2024年〜2025年 | 配当支払いの完全停止、投資家への連絡が困難に |
| 2026年現在 | 業務停止命令継続中、被害回復の目途立たず |
4. 主要なリーダー陣と現在の状況
このセミナー事業および関連投資スキームに関与した主なリーダー陣の現在の状況は以下の通りです。
| 名前 | 役職/肩書き | 現在の状況(2026年時点) |
|---|---|---|
| 菊地 翔(きくち かける) | エクシア合同会社 代表社員 | 2024年10月にエクシア合同会社の破産手続き開始決定。民事訴訟や破産手続きの対応に追われており、表立った活動は確認されていない。 |
| 伊藤 大輔(いとう だいすけ) | エクシア合同会社 元副社長 | 内部告発後、公の場から姿を消しているが、被害者側の訴訟支援等に関わっている可能性が指摘されている。 |
| 大越 朝(おおこし あさ) | 株式会社United Style 代表取締役 | 金融教育セミナー「知って得するお金の話」等を継続開催。「保険の見直し」等を軸に活動中だが、過去の関与については説明責任が問われている。 |
| 竹田 陽一 | 未来投資2.0 主宰者 | セミナー事業を通じて集客を行っていたが、現在は表立った「未来投資」名義での活動は縮小。 |
※エクシア合同会社に関しては、2024年10月に東京地裁より破産手続き開始の決定が出ています。菊地氏個人についても、多数の訴訟を抱え、社会的信用を失墜した状態にあります。刑事事件化(逮捕)の事実は現時点では公表されていませんが、破産管財人による調査が進められています。
