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1. はじめに：Windowsセキュリティの再確認
近年、Windowsを取り巻くセキュリティ脅威は多岐にわたっています。ランサムウェアによるデータの暗号化、不正ドライバーからの侵入、あるいは公共Wi-Fiを使ったハッキングなど、どんなユーザーにもリスクは存在します。
Windowsには「Windows Defender（以下、Defender）」という無料の強力なセキュリティソフトが標準で搭載されており、実際の評価は有料ソフトに匹敵するほど高いことが知られています。しかし多くのユーザーは「有料セキュリティソフトを入れているから大丈夫」と思い込み、Defenderの重要な裏機能を見落としているのが実情です。
そこで本記事では、Defenderの“裏”に隠れた機能を呼び起こす設定を中心に、Windowsパソコンを鉄壁の守りにする方法を解説します。この記事を最後まで読むことで、あなたのPCを安全かつ快適に使うためのベストプラクティスが得られるはずです。ぜひ確認していきましょう。
2. Windows Defenderが高評価を得ている理由
かつては「Windows標準のセキュリティなんて弱い」という声もありましたが、ここ数年でDefenderは大きく進化しました。
- リアルタイム保護の精度が上がり、有料ソフトと比較しても遜色ない検知率を示す
- OSと強く連携するため、カーネル（心臓部）に近い領域での防御も期待できる
- 基本無料でありながら定期的なアップデートが行われ、最新の脅威にも対応している
実はDefenderは“裏機能”も充実しています。他社製ウイルス対策ソフトを利用しているとメインのリアルタイム保護は休止しますが、それでも設定次第で一部の機能を使うことができるのです。つまり、「有料ソフトを使っているからDefenderなんて関係ない」と思っている人ほど必見の内容となります。
この記事では、特に重要な6つの設定をピックアップして、全員がやっておくべきポイントを詳しく紹介していきます。
3. コア分離でカーネルを守る：最強防御の基礎
Defenderには、Windowsのカーネルを強固に保護する「コア分離」という仕組みがあります。
カーネルは「パソコンの心臓部・司令塔」のような存在。たとえばメモリの割り当てやCPU制御など、あらゆるアプリケーションに指令を出す重要な役割を担っています。もしここを攻撃者に乗っ取られたら、あらゆる防御が無効化されるといっても過言ではありません。
だからこそコア分離は必須。代表的な3つの機能は以下の通りです。
● メモリーの整合性
カーネルの動作中に、物理メモリに不正なコードが書き込まれるのを常に監視・ブロックする仕組みです。古いドライバーとの相性問題からか、初期状態ではオフになっているケースが多いですが、強力な防御の要となるため、まずはオンにしてみましょう。
プリンターやWi-Fiなどのデバイスが動かなくなる場合は、ドライバーの更新をしてから再度オンに挑戦するのがおすすめです。
● カーネルモード ハードウェア強制スタック保護
こちらはCPUレベルでカーネルを守る設定。スタック領域に不正な書き換えが行われるのを防ぎます。
比較的新しいCPUなら問題なくオンにできますが、古いCPUやドライバーを使っていると、一部ゲームやマウス、キーボードの不具合が生じる可能性があります。リスクは低いものの、万一動作に異常を感じたらオフに戻しましょう。
● ローカルセキュリティ機関の保護
OSに保存されたパスワードやトークンなどの重要情報を盗まれないよう監視する機能です。
一部のVPNソフトやレガシー業務ソフトと相性が悪い可能性がありますが、オンにすることでハッキングリスクを大幅に下げられるので、基本的にはオン推奨です。もし不具合が出たら、ソフトを入れ替えるか設定を見直してください。
ランサムウェアは感染すると、ファイルの暗号化から身代金要求まであっという間に進行する非常に危険な攻撃手法です。大企業はもちろん、個人ユーザーも無関係ではいられません。
Defenderには「コントロールされたフォルダーアクセス」という機能があり、重要フォルダー（ドキュメント、ピクチャ、ビデオなど）を不審なアプリからの書き換えやアクセスから守ってくれます。
ただしこの機能をオンにすると、Windowsが「未承認」とみなすアプリがフォルダーにアクセスできないため、動画編集ソフトやマイナーな開発ツールなどを利用する際は逐一“許可設定”が必要になる場合も。
少々面倒ですが、ランサムウェアによる被害を未然に防ぐメリットは非常に大きいので、本当に重要なデータを守りたい人はオンにする価値があります。
許可が必要な場合は、「ウイルスと脅威の防止」→「ランサムウェア防止履歴」→「許可されたアプリを追加」の手順で、ブロックされたアプリを明示的に許可していきましょう。
5. 他社製ソフトを使っていても無関係ではない
「有料セキュリティソフトをインストールしているからDefenderは必要ない」という認識は誤解の元です。
他社製ソフトの導入によりリアルタイム保護は無効化されるものの、コア分離やランサムウェア防止機能などは依然として設定が可能です。
カーネルレベルの防御は他社製ソフトがカバーし切れない部分もあるため、「カーネル防御はDefenderに任せる」という使い方も十分考えられます。
また、Defenderをメインで使う場合は「ウイルスと脅威の防止の設定」を確認し、クラウド保護や自動サンプル送信がオフになっていないか要チェック。
特に「改ざん防止」は意外と見落としやすい項目です。悪意あるユーザーが設定を無断で変更できないようにする機能なので、ここもオンにしておくと安心です。
6. スマートアプリコントロールの実用性を考える
Windowsの新機能として登場した「スマートアプリコントロール」ですが、これはMicrosoftが信頼するアプリ以外を一切起動させないという、ある意味極端な仕組みになっています。
たしかに、もしウイルスを誤ってダウンロードしてしまってもアプリが起動しないわけですから、セキュリティ面は最強クラスといえます。
しかし、その反面、「必要なソフトまで立ち上がらない」という事態に直面する人も続出し、さらに一度オフにすると再度オンにするにはWindowsを再インストールが必要という大きなデメリットも。
ビジネス用途など決まったソフトしか使わないPCなら、有効化するのもアリかもしれませんが、一般ユーザー向けには扱いづらいのが現実でしょう。今後、「信頼されるアプリ」のデータベース拡充に期待したいところです。
7. エクスプロイトプロテクションで未知の脆弱性を防ぐ
「エクスプロイトプロテクション」とは、まだ発見されていない未知の脆弱性（ゼロデイ攻撃など）を狙った攻撃にも対応しやすくするための仕組みです。
「アプリとブラウザのコントロール」→「エクスプロイトプロテクションの設定」から、細かい挙動のカスタマイズが可能ですが、弄りすぎると正常なアプリまで動作不能になるリスクがあります。
初心者は既定設定のままで問題ありませんが、セキュリティを極限まで高めたい上級者はバックアップをとりつつ慎重に変更してみると、標的型攻撃などにも強いPC環境を構築できるでしょう。
8. VPNの活用で外出先でも安全を確保
フリーWi-Fiなど、公共の場でインターネットを利用する際は、VPNを使って通信を暗号化するのがおすすめです。
VPNの利点は通信が盗聴されにくくなる点だけではなく、海外サーバーを経由することで地域制限のあるサイトにもアクセスできるメリットがあります。
ただし、「ローカルセキュリティ機関の保護」と相性が悪いVPNソフトが稀に存在し、VPNが起動しなくなるケースもあるようです。その場合は、別のVPNソフトに切り替えるか、あるいは保護機能をオフにする必要があるかもしれません。
セキュリティを優先するのであれば、Defenderの保護機能を優先し、VPNソフトの選定を見直すのが個人的にはおすすめです。
9. まとめ：Windows Defenderの底力を引き出そう
ここまで紹介した設定を一通り行うだけで、Windowsパソコンのセキュリティは驚くほど向上します。改めて確認すると、ポイントは下記の通りです。
- コア分離（メモリーの整合性、カーネルモードハードウェア強制スタック保護、ローカルセキュリティ機関の保護）をオンにする
- 「コントロールされたフォルダーアクセス」によるランサムウェア防止を設定
- 改ざん防止やクラウド提供の保護などのDefender基本機能もオンか要確認
- エクスプロイトプロテクションは上級者のみカスタマイズ
- スマートアプリコントロールは非常に強力だが実用性はケースバイケース
- VPNの暗号化通信で外出先のリスクを減らす
そして、「セキュリティアップデートを常に適用」することもお忘れなく。Windowsの更新やデバイスドライバーの最新化は、あらゆる攻撃手段に対抗する基礎です。
Windows Defenderは昔と比べ物にならないほど進化しており、有料ソフトに劣らない実力を手にしています。こうした標準機能を正しく活用するだけでも、パソコンを守る大きな一歩となるはずです。
結論
Windowsは世界中で最も多くの人が使用するOSであるがゆえに、攻撃の対象になりやすいという事実があります。だからこそ、標準機能であるDefenderを最大限活かすことがとても大切です。
有料セキュリティソフトを導入していても、コア分離やランサムウェア対策など、Defender特有の機能を活用すれば、さらに多層的な防御が実現できます。
ぜひ本記事を参考にしながら設定を見直し、あなたの大切なデータやプライバシーを守ってください。小さな手間が、大きなリスク回避につながります。今すぐ始めましょう！
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